RAP NEWS

2024.12月号/Vol.261

「いつもの朝」

毎朝、同じ時間に出勤していると、同じ車とすれ違ったり、同じ方と同じ場所で会ったりします。
私も出勤時にお二人ほど顔を合わせる方がいます。

一人は学校前の横断歩道に立って小学生を誘導している方、もう一人は私と逆方向に出勤する方です。その方とは狭い歩道をすれ違うので、傘や荷物がぶつからないように避けるようにすれ違います。いつもは、小学生を誘導する方に「おはようございます」と挨拶をするのですが、その日はその方にも「おはようございます」と挨拶をしました。理由はわかりませんが、何となく、挨拶してしまいました。

最初は、ビックリされたようで軽い会釈。次の日も挨拶したら無言ですがニッコリして会釈。数日後は、「おはようございます」とお互いに目をみて挨拶するような間柄(?)となりました。
挨拶をする前までは、狭い歩道でのすれ違いを不快そうにされていましたが、最近ではお互いに道を譲っています。人の気持ちというのは不思議なものです。いままで縁の無かった単にすれ違う人が、挨拶だけで何となく気持ちが近づき、警戒心が和らぐのですから。

新人研修やビジネスマナー講座などで、挨拶やコミュニケーションについて研修を受けたという方も多いと思います。挨拶はできて当たり前。社会人になれば、その次のステップで、お客様のニーズを掘り起こし、困っていることを発見するためのヒアリングなどが必要となります。少なからず、お客様には警戒心がありますから、そう簡単に話をしてくれません。

仕事でお会いしている以上、少ない機会の中でお客様の警戒心を何とか和らげ、お客様にたくさん話してもらえるような雰囲気をつくれることが大切だと思います。少しずつ距離を縮めて、次にお会いするときは前回よりも話しをしていただけるようになると、本音に近い話を聞けるようになることがあります。そうなると、お互いの表情も変わってきます。営業の仕事を長くやっていますが、お客様との距離を縮められたと感じられるときは本当にうれしいものです。そのような中では、仕事の改善案や良いアイデアが出てくることもあります。

社会人になって、数十年。たくさんの方と出会い、お話をさせていただきましたが、気が付くと自分がしゃべらされている、というお客様がいます。私も緊張していますし、その方もある程度の警戒心をもっていると思います。私は、お客様にたくさんしゃべってもらおうと常に心がけていますが、気が付くと私が気持ちよくしゃべっていました。後から、あの方はすごい人だと思いました。

さて、冒頭の人と偶然、会社の前で昼時にすれ違いました。いつもは「おはようございます」ですが、初めて「こんにちは」と挨拶しました。挨拶だけの小さな関係ですが、なぜかほっこりする気持ちになりました。


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