2024.11月号/Vol.260
秋の行楽シーズン、地方の街道沿い。野菜やお米、果物などを売っているお店が並んでいます。農産物直売所ではなく、地元の方がやっている小さな店舗です。つい、数か月前、スーパーにお米が全く売ってない、という時だったので、有難くお米と果物を購入しました。会計後、これ帰りに食べていってと、おまけのリンゴをひとつ。続けてキノコを買いに車を走らせ別の店舗へ。ここでも、地場のキノコを購入すると、りんごをひとつ、これおまけにどうぞ。近くにあった小松菜も、形が悪く売り物にならないというダイコンもくれました。こうなると、色々もらってばかりで申し訳ないような気持ちになり、買う予定のない漬物を購入することにしました。
得したのか、損したのかわかりませんが、何だかほっこりした気持ちになりました。おまけをもらった、ということに加えて、モノを購入するときの「やりとり」が心地良かったのだと思います。
さて、コロナ禍の後、物流2024年問題への対策もあり、小売業のDXは急速に広まりました。お客様がバーコードで商品登録、セルフレジで効率化して人件費をカット、支払いはお釣りの用意が不要なキャッシュレス。便利な世の中になり、自分のペースで商品登録、スマホで決済終了。さっと買って、さっと帰れます。でも、ふと、「ありがとうございます」と言う人がいない、と思うことがあります。店員さんは、感謝ではなく、「ちゃんと決済が終わっている?」と確認の目になっているように思うのです。
欧米では、セルフレジを利用するお客様の購入点数が少なくなる傾向があり、売り上げ減となったため撤去する店舗があるそうです。日本でも酒類を購入したときの年齢認証やポイントカードの読み取りが面倒という意見や万引きを疑われそう、という意見もあるとか。私の場合は、店の人がどのような対応をするか興味があるので、どちらのレジも利用しています。
AIロボットが料理を運ぶ時代、そんなことを考えるのは時代遅れなのかもしれません。でも、新しいテクノロジーやデジタルツールが登場しても、「コミュニケーション必須の原則」は変わらないのではないでしょうか? 日常的なやりとりで、人に「見られている」「気にかけてもらっている」(存在意義)を感じることができると思います。
最近、「ゆっくりレジ」というレジが登場したようです。その名の通り、お客様の会計を焦らすことなく、ゆっくりとしたやりとりで、時には、レジの方と軽くおしゃべりをしたりすることもあり好評だとか。レジではないですが、自社への問合せの手段もお客様の都合に合わせた選択肢を作るというのが良い方法だと思います。(ユーザーセントリック)
さて前述の小さなお店でいただいたおまけは、おいしくいただきました。おまけをもらって、なぜか懐かしく感じるのは私だけでしょうか。